自己破産の手続き

 ここでは、債務整理の方法のうち、自己破産の手続きについて注意すべき事項5箇条をまとめました。

1 現在の状況を全て弁護士に説明した上で、債務整理の方法のうち一番よい方針を検討しましょう。

 自己破産の手続きをする際に、一番大事なことは、自己破産の手続きを始める前に、現在の借金・資産の状況の全てを弁護士に説明することです。
 自己破産をしても問題ないと考えて自己破産の手続きを始めて見たが、思わぬ財産があることが後で判明して自己破産の手続きをとることにメリット・利点がなくなってしまった場合は結構あります。
 例えば、資産は何もないということで自己破産の手続きを始めたにもかかわらず、その後、共有の不動産を所有していたような場合です。原則として、自己破産の場合、借金もなくなりますが、資産もなくなりますので、自己破産の手続きを始める前に、資産の状況を精査しておくことは必要不可欠です。
 
 また、借金・負債についても、事前に全業者についてご説明いただいていれば、最初の段階で正しい方針を立てることが可能です。他方、一部の借金・負債について漏れていた場合、後々その借金については免責にならない可能性があります。また、特定の債務・借金を隠していたということで、借金全部について免責不許可となることも理論上はあり得ます。債務整理には色々な方法がありますので、債務整理の方針を決定するに当たっては、正しい情報があることが不可欠です。

 このように、自己破産の手続きをする上で、現在の状況を全て弁護士に説明した方が、結果としてよい解決になります。


2 債務整理の方針を決定するに当たって資料の準備をきちんとしましょう。

 自己破産の手続きをするに当たって、様々な書類を提出するよう、裁判所・弁護士事務所から要請されます。住民票・銀行通帳のコピー、給与明細等です。なかには、なんでこんなに細かな資料が必要なのかと思われる方もいるかもしれません。
 しかし、裁判所では、原則として証拠になるのは書面なのです。きちんと資料がそろっていれば、自己破産の手続きは極めてスムーズに進みます。千葉地方裁判所管内では、場合によっては、裁判所に一度もいかずに免責決定まで進むこともあります。(東京地裁は若干ルールが異なります。)
 他方、資料のご準備がない場合、裁判所に何度もいったり、管財人が選任されたり、最悪の場合、資料のご準備がないことを理由として、免責不許可となってしまうこともあります。

 このように、自己破産の手続きをする上で、資料の準備をするということは、とても重要なことです。

3 連帯保証人との関係に注意しましょう。

 自己破産の手続きをした場合、手続きをした方の債務・借金は0円となります。しかしながら、借金・債務に連帯保証人(連帯債務者)がいた場合、その方の借金はなくなりません。
 原則として、連帯保証人・連帯債務者については、一括払いで全額の請求が行くこととなります。(分割払いの交渉をすることも可能です。)
 このような場合、連帯保証人・連帯債務者についても何らかの債務整理(任意整理・自己破産・個人再生)等の手続きをとる必要が出てくる場合があります。
 
 このように、自己破産の手続きをする上で、連帯保証人の債務整理の関係に注意することが重要です。

4 今後住む場所を考えておきましょう。 

 賃貸物件に居住している方の場合、自己破産の手続きをしたとしても、そのまま賃貸物件に住み続けることは家賃を支払い続ける限り可能です。
 他方、不動産を所有している場合、自己破産の手続きをすると、自宅を手放さなくてはならなくなります。この場合、すぐに自宅を手放す必要はありませんが、自己破産の手続きを始めてから半年~1年の間には自宅を手放す必要があります。
 自己破産の手続きを開始する場合、特に自宅を所有している方は、今後引っ越しの必要が出てきます。

 このように、自己破産の手続きをする上で、今後住む場所を考えておくことが重要です。

5 当面の生活費を確保しましょう。

 自己破産の手続きをした場合、多額の財産(不動産・車等)を失うこととなります。毎月給与所得がある方は、特段問題はないかもしれませんが、給与所得がない方は、今後の生活に苦労する可能性があります。

 このように、自己破産の手続きをする際には、今後の当面の生活費をどのようにするか考えておくことが重要です。

 ここでは、債務整理の方法のうち自己破産の手続きについて注意すべき事項五箇条を解説しました。債務整理には色々な方法があります。自己破産の手続きの詳細は弁護士等の法律の専門家にご相談下さい。