「自己破産と差押え」 2015年8月21日

 

 借金の返済が滞っている債務者に対し、債権者は債務者の財産を差し押さえることが出来ます。中でも銀行や消費者金融、信販会社が執る手続きとして「給与の差押え」というものがあります。
 返済が滞ったからといって債権者は直ちに給与を差し押さえられる訳ではありません。一般的には、債権者が裁判所に民事訴訟を起こします。後日、裁判所から訴状が債務者の自宅に届きますが、これに対して何の手続もせず放置してしまうと、債権者の主張を認める判決が出ます。そして判決の2週間後に判決は「確定」となり、通常はこの判決確定後に債権者は債務者に対し債権差押執行手続を執ることが出来るようになります。債権者から給与差押の申立がなされると、裁判所から債務者の勤務先に差押命令の書類が送付されるため、債務者は勤務先に差押えの事実を知られてしまうこととなるのです。
 しかし、債権者は給与全額を差し押えることは出来ません。給与(基本給と諸手当。ただし通勤手当を除く)から所得税、住民税、及び社会保険料を控除した残額の4分の1が差押えの対象となります。つまり、手取給与が20万円の場合、その4分の1の額である5万円が差し押えられてしまうのです(但し、手取り収入が44万円を超える時は、その残額から33万円を控除した金額が差し押さえの対象となります)。
 給与差押を止める手段として、自己破産手続があります。自己破産を申し立て、裁判所が破産手続の開始を決定すると、強制執行されている給与の差し押さえは禁止となります。ここで注意が必要なのですが、自己破産の2つの手続き(管財と同時廃止)のうち、どちらの手続きを行うかによって、差押え前と同じように給料を受け取れるようになる時期が異なります。

  1. 管財手続の場合は、破産手続開始の決定によって、強制執行は効力を失います。破産手続開始決定後、従来通り給料を全額受け取れるようになります。
  2. 一方、同時廃止の場合、破産手続開始決定により強制執行は中止されますが、免責許可決定が確定した後でないと元通りの給料を受け取ることができないのです。免責確定までの間の差し押さえ分の給料は、供託または会社で保管されることになります。

裁判所から訴状、債権差押命令といった書類が届いた場合は決して放置せず、早めに弁護士にご相談下さい。訴訟を提起された段階であれば、弁護士が裁判所に答弁書や準備書面といった書類を提出し、裁判の期日を延長することで、判決が出る時期を遅らせることができることもあります。その間に破産申立をし、破産手続の開始決定が出れば、債権者は判決を取得出来たとしても、強制執行をすることはできません。既に給与を差し押さえられる場合は、開始決定・免責決定確定を得ないと、債務を全額返済し終わるまで給与の差押えは止まりませんので、ご注意下さい。

 

 

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